平成17年6月12日 沖縄県知事 稲嶺惠一 殿 コウモリの会 会長 山本輝正 新石垣空港整備事業における環境影響評価書に対して、環境大臣より4月15日に「 新石垣空港整備事業に係る環境影響評価書に対する環境大臣意見」が、5月27日に「 環境影響評価書に対する国土交通大臣意見」がそれぞれ出されました。 私たちコウモリの会は、すでに5月12日付けで要望書を提出いたしましたが、今回 の国土交通大臣意見を踏まえて再度重要な点について要望書を提出いたします。 要望1 環境大臣意見と国土交通大臣意見のいずれにも「・・専門家の指導・助言を得た上で 、可能な限り保全すること。」とあります。 @この中で言う、「専門家」というのは、沖縄県が設置した「新石垣空港整備事業に係 る小型コウモリ類検討委員会」の委員だけではないはずです。広く意見を求めてくださ い。 A先の要望書でも指摘をしましたが、沖縄県が設置した「新石垣空港整備事業に係る小 型コウモリ類検討委員会」の委員のメンバーのうちコウモリを専門としている委員が5 名中2名(分類と保護の専門家)しかいないのは不十分です。沖縄県産のコウモリ類の 生態または行動の専門家を委員として追加することを要望します。 B当アセスメント事業の受託者NPO法人東洋蝙蝠研究所の理事長である○○×××氏が 、影響を評価する立場にある「小型コウモリ検討委員会」の委員を務めることは、公平 さを欠くと考えられます。適任者への交替を要求します。 要望2 環境大臣意見と国土交通大臣意見のいずれにも「・事業実施区域及びその周辺で、A 〜E洞窟以外に確認されている洞窟については、小型コウモリ類の利用について、追加 調査を行うこと。」とあります。 コウモリ類は、通常、季節毎にねぐら(洞窟)を移動し、社会構造を変えます。この ため、コウモリ類による各洞窟の利用状況を明らかにし、それが消失した場合の影響を 評価するためには複数年の継続的調査が不可欠です。大臣意見で指摘されている「追加 調査」は、最低でも2年以上行うよう要求します。 要望3 「譜久島統括監は「年内には実施設計に入りたい」と述べた。」との報道があります が、これは事実でしょうか?今後追加調査をして、その結果に基づいてどうするのかを 決めていく段階のはずなのに、このようにすでに決まっているかのような発言は、「環 境影響評価法」の法の趣旨からも著しく逸脱した発言であると考えられます。発言の撤 回・訂正をすべきです。 なお、この要望書につきましては、コウモリの会のHPに掲載するとともに関連のメー リングリストやマスコミ各紙等に配信する予定です。 コウモリの会事務局
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